FREECELL vol.60
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Amazon

FREECELL vol.60

  • 本体価格 ¥907
  • 発売日 2024.01.05
  • コード 62489-95
表紙巻頭特集
土屋太鳳×佐久間大介×金子ノブアキ『マッチング』撮りおろし12ページ鼎談
土屋太鳳×佐久間大介×金子ノブアキ『マッチング』撮りおろし12ページ鼎談
以下特集リード

ウェディングプランナーとして仕事が充実している一方、恋愛に奥手な輪花(土屋太鳳)は、 親友で同僚の尚美(片山萌美)の勧めでマッチングアプリに登録をする。 この日を境に生活が一変する――。 マッチングした相手の吐夢(佐久間大介)と待ち合わせると、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男。さらに、吐夢に出会ってから輪花のスマホの通知が鳴りやまない。
「次いつ会えますか?」「次いつ会えますか?」「次いつ会えますか?」…
恐怖を感じた輪花は、取引先でマッチングアプリ運営会社のプログラマー影山(金子ノブアキ)に助けを求めることに。 一方、同じ頃、“アプリ婚”した夫婦が惨殺される悲惨な事件が連続して発生し、世間を騒がせていた――。
アプリでの出会いをきっかけに、一変する輪花の日常。 家族や友人、輪花を取り巻く人物たちの“本当の顔”が次々に明かされていく中、事件の魔の手は次第に輪花の身にも迫っていく—。

『ミッドナイトスワン』『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』など今日的な社会性があるテーマをエンタメに昇華する作品づくりに定評のある内田英治監督が原作・脚本・監督を務めた完全オリジナル企画が本作『マッチング』。
物語は、その名の通り輪花がライトな婚活気分でマッチング・アプリを利用したことから発生するさまざまな恐怖を描いていくが、注目すべきは上記のように明らかにヤバい吐夢役にSnow Manの佐久間大介が起用されていること。オファーを受けた際、自分と真逆のキャラクターなので吐夢役をどう演じるか、佐久間大介は悩んだそうだが、内田監督と事前に話しあい出演に至ってからは「最終的には僕じゃないとできなかったんじゃないか」と自負する出来になったそう。
映画は、輪花と吐夢のペア時、輪花と影山のペア時にそれぞれ違った恐怖が訪れるのだが、最初の輪花とのデートで水族館でクリオネを見つめる吐夢が憑依したような佐久間大介の目の演技は、土屋太鳳が「ブラックホールのよう」と語るように彼のヴィラン的な新しい魅力を垣間見ることができる。しかも、物語が進むにつれて吐夢は一概にヤバいやつではないのでは?という展開があり、影山のダークサイドも露見する。そして、実は災厄を引き寄せているのは輪花では?という疑念がクライマックスに向けて加速する。
ストーリーラインはインディペンデント系の攻めた海外作品に通じるが、それをご覧のどメジャーな三人が文字通り怪演しているのが本作のオンリーワンなところ。3人での再会はクランクアップ以来一年振りということで今回は映画本編にも重要なアイテムとして登場する四つ葉のクローバーを小道具に、吐夢と影山の間で揺れる輪花というテーマで撮影に臨んでもらいました!

(以下見出しより)
(土屋太鳳がオフィシャル資料に記した撮影現場での佐久間大介の「ブラックホールのような目」という記述について)

土屋「現場では本当に光がない目をしていらっしゃったんです!」

佐久間「光、なかったですねー。監督に3日寝てない目をしてと言われたんですよ。僕ショートスリーパーなんですけど、意識してそんな目をするとマインドが入り込みすぎてだんだん眠くなってきてしまって、困りました(笑)」

(『マッチング』で重要な意味を持つ四つ葉のクローバーに関するエピソードについて)

佐久間「嘘みたいな話なんですけど『マッチング』のロケ撮影中にクローバーがいっぱいある場所を見つけて、四つ葉のクローバーあるかな?と適当に探していたら“あ、あるじゃん!”って2枚ぐらい見つけちゃって、自分でもびっくりしました。スタッフさんがしおりにしてくれて、いまだに持っています」

土屋「今回の『マッチング』では、四つ葉のクローバーには復讐という意味もあるのがクローズアップされるので、四つ葉のクローバーを持てなくなってしまいました(笑)」

金子「佐久間くんはもし世代が一緒だったら学校とかでもすごく仲良くなっていると思う(笑)」

佐久間「わかります! 休憩時間ずーっと喋っていましたもんね」
金子「いや、それこそ本番2秒前くらいまでずっと喋っていた(笑)。でも、佐久間くんってそうやって集中していくタイプだよね?」

佐久間「バレました(笑)?」

土屋「やっぱりそうなんですね。それ、私も思いました」

山田涼介×浜辺美波『サイレントラブ』の見どころを解説10ページ
以下リードより

前項まで特集した内田英治監督作品『マッチング』に先行する形で同じ内田監督作品として1月26日に公開されるのが山田涼介×浜辺美波の共演作『サイレントラブ』。
こちらも『マッチング』同様に 内田監督が自ら脚本を書き上げプレゼンの末映画化に結びついた作品で、『ミッドナイトスワン』以降オリジナル企画を高打率で映画化する内田監督は、今年間違いなく日本映画のキーマンになる存在だろう。
内田監督の(内田脚本も含めた)特徴は、一言で言うと“ハードコ ア人情劇 ”。 社会問題を作品に取り込みながらも普遍的な情愛を物語のベースに置くその作風は、邦画の伝統を踏襲しつつも、時代性があるテーマを作品に取り入れやすいところが、人気の要因だと思う。
そこで以下では『サイレントラブ』の内田監督のオフィシャルインタビューを引用しつつ、共にハン ディキャップを持った主人公とヒロイン、という近年のアジア映画のトレンドを踏襲したシノプシスにもかかわらず、なぜ筆者には『サイレントラブ』が“ハード コア人情劇”の決定版に見えたのかを語っていきたい。

以下見出しより
――現場で生まれたセリフやシーンはありましたか?
内田監督「いちばん大きな変更はキスシーンです。朝8時から夕方まで横須賀での撮影だったのですが、朝から豪雨が降り始めて、絶対無理だろうとスタッフも僕も思っていました。昼も過ぎて、さすがにもう帰ろうとなった時頃にいきなり晴れて、最後には最後豪雨を我慢したご褒美のように夕陽も出て、本物の光が二人を照らしています。カメラをグーッと上げて、海の水面と陸の泥を半々に撮ってもらったのですが、そこに夕陽が射したので、コントラストがさらにききました。まさに、奇跡のシーンですね」

古川琴音主演『みなに幸あれ』撮影舞台裏&現場写真公開12ページ
少女歌劇団ミモザーヌ いまもりまなか誌上卒団パーティー10ページ