spoon. 163号
- 本体価格 ¥907
- 発売日 2024.12.26
- コード 05475-02
- 表紙巻頭特集
- 中島健人×桐谷健太『知らないカノジョ』表紙巻頭対談12P
中島健人が演じるリクは人気SF作家、miletが演じるミナミはシンガーソングライターになる夢を諦めてリクをサポートするが、大喧嘩した翌日、リクが目を覚ましたのは“二人が出会わなかった”世界だった。しかも、その世界ではリクは作家になる夢が叶わなかった編集者で、ミナミは大人気シンガーソングライターになっていた。リクにとって自分の存在を完全否定された世界で彼を支援し、なんとか彼が元の世界に戻れるように奮闘するのが、桐谷健太が演じる梶さんこと梶原恵介。その名の通り、不条理な別世界でリクに数々の恵みをもたらす梶さん役の桐谷健太は、リアルな世界でも中島健人のメンターの役割を担っているようで、以下の見出しにもあるように中島健人の今後のキャリアを照らし出すようなパワーワードを連発してくれました!
以下見出しより
(『知らないカノジョ』のヒロイン・ミナミを演じるmiletに関して)
桐谷「彼女の、あのスーッと心に染み込んでくるような声が映画の中ですごく大きな役割を果たしていますよね。聴いていてとても気持ち良かったし、お芝居もナチュラルで個性も光っていると感じました」
中島「ソロデビュー曲の「ピカレスク」は暗黒モードで悪漢をテーマにしているのも、今のこの心境を作品にしておくべきでは?という考えからです。僕だってキリケンさんみたいに「海の声」みたいな明るい日差しが差すような曲を歌いたいですよ(笑)。でも、そこを目指している中でまず闇の部分もちゃんと作品にしておきたかったんです」
(『知らないカノジョ』のリクの仕事の成功とプライベートの充実が反比例していく展開に関する質問に)
中島「器用な方は、多分どちらも、反比例させずに上手に向上させていくと思うんですけど。僕はリクの気持ちがなんとなくわかる気がしました。どっちかがうまくいくと、どっちかがやっぱりうまくいかない。神様はやっぱりバランス取ってるなって感じがします。だから、今すごく幸せすぎるなって感じたとき、もしかしたらこの後なんかあるなと思ってしまうので」
桐谷「それに関しては健人と逆で、俺はガンガン幸せになった方がいいと思う。幸せが大きくなれば、それに伴う悩みやつらいことは確かにあるとは思うけど、それもまた自分をデカくしてくれる起爆剤だと思って、デカい幸せの中にちょっと小さい黒い点があるぐらいで考えておけばええんと違うかな? 幸せなときに黒い点を感じたら、それを消してやるぐらい幸せになってやろうという健人で、俺はいてほしい。健人はいつもみんなに憧れられる、大きなハッピーの中にいればいいよ」
BE:FIRSTのRYOKIとしての活動に加え、最近では『虎に翼』で演じたヒロイン寅子の弟・直明役も話題になった三山凌輝。彼が強迫性障害による潔癖症で常にビニール手袋着用で生活する絵本作家の水 島良城(よしき)を演じ、その恋人で彼と同居する書店員の桐本月菜 (つきな)を乃木坂46の久保史緒里がW主演で演じるのが、2月7日公開の『誰よりもつよく抱きめて』。同作は、良城と同じ症状を抱える 女性・村山千春に『SHOGUN 将軍』藤役で話題になった穂志もえか、千春と良城が同じ悩みを共有できることから距離を縮めていくのを目の当たりにして思い悩む月菜の前に現れ、月菜に惹かれていく青年 イ ・ ジェホン に 2PMのファン・チャンソンを起用 、とキャ スティングに強いフックがある作品。内田英治監督作品には3作目の出演となる久保史緒里の月菜役は、前回のコラボ作『探偵マリコの生涯で一番悲 惨な日』で彼女のキャラクターを知った上での当て書きのように感じたので、以下では書店に訪れた人の心を癒すのに最適な絵本をセレクトする「絵本のソムリエ」的な存在の月菜役について詳しく語ってもらった。
以下見出しより
「母が絵本好きだったので、もともと絵本は大好きなんです。撮影場所になったお店は仕掛け絵本のお店だったので大人に響く絵本がたくさんあって、休憩中はずっとお店の絵本を開いていました。中でも一本の木がだんだん風化していくまでの変化を描いた仕掛け絵本が、とても個性的で好きになりました」
ことの発端は塚本連平監督の妻がたまたまテレビで、読み書きができない西畑保さんが 64歳にして一念発起し、自分を長年支えてくれた妻への感謝の手紙を書くことを目標に夜間中学に通い始めるドキュメンタリーを見たことからだという。番組に感動した妻から西畑さんのことを聞いた塚本監督は西畑さんのことを調べ始め、そこで彼が書いた直筆の妻へのラブレターを目にすることになる。
「その手紙を見てすぐに、彼の人生を映画化したいと思ったんです」
そこから塚本監督は本作の脚本を書き始める
若かりし頃の2人を演じるのが、重岡大毅と上白石萌音。「僕らは顔も似てるしね(笑)。シゲ (重岡)も僕も笑い顔やから」と鶴瓶が語るように、相手の警戒心や緊張感を一気にほどいてくれるようなあの笑顔は驚くほどリンクしている。
「もともと鶴瓶さんが大好きやから、(同じ人物を演じられて)嬉しかったです!」と素直に喜びを語る重岡は、確かに笑顔の人だ。同じく原田と上白石も柔らかな雰囲気が最大の共通点。原田の音楽の大ファンだったという上白石は「全然似ていないし、おこがまし過ぎます……」と恐縮していたものの、撮影前に原田と唯一顔をあわせた本読みのタイミングで、「好きに思ったまま演じてね。それを受け取るから!」という言葉をもらい、スッと心が軽くなったとも語っていた
「「KIRAKUモンスター」歌詞に関してはそういうふうになりたいなっていう願望で、気楽と入れた部分もあります。真面目すぎちゃって、気疲れモンスターになりがちなので。ちょっと行き詰まってたタイミングでもあったので、自分のために歌ってる曲でもあります。それに、今、自分を追い詰めてしまうタイプの人も多いと思うので、この曲をライブでやることによって、みんなのスイッチをオフできるような曲になったらいいなと思います」